前回まで株式トレードにおける注文の使い分けの方法を2つ見てきました。
ではこの2つ、使う時の注意点を覚えておいてください。
ポイントは2つです。
ポイント①「安い方の注文を入れる」
サンドウィンチングにしてもハーフサンドにしても大前提として
「下=安い方の注文を必ず入れておく。」
という事です。
これが鉄則です。
理由は一つです。
株のトレードは(多分株に限らず投機的なものはすべからくそうだと思いますが。)、常にリスクから計算しなければならない、という事です。
実際に株の取引をやっている方ならお分かりになると思いますが、株というのは自分が買った時よりも利益が出ているときは非常に楽です。
「いくらで利益確定しようかな。」「いくらまで引っ張ってやろうかな。」「これで利益確定したら証券口座から引き出して〇〇を買おうかな。」
こんな風に考えられますし、余裕をもった行動がとれます。
注意しなければいけないのが含み損が出ている時です。
それは
「自分の資産が減ってしまっている。」
という恐怖と闘わなければならない状態です。
恐怖はパニックを起こします。
パニックを起こしてすぐ売ってしまう人はまだましです。
損が出ながらもキャッシュは残ります。
もっとも損の大きさにもよりますが…。
最悪なのは
「思考停止してしまう方。」
です。
思考停止する、という事は
「保有している銘柄の大幅な含み損がさらに増えていく。」
という事に繋がってしまいます。
その状態に陥るのを避ける為にもサンドウィッチングであれハーフサンドであれ、注文は必ず「下=安い方の注文を入れておく。」という事です。
次にポイント②です。
ポイント②「価格と目標ポイント、ロスカットポイントまでの距離に注目する」
「注文は現在の価格から近ければ近いほどそこに到達しやすくなり、遠ければ遠い程到達しにくくなる。」
という事です。
具体的に数字を入れて考えてみましょう。
例えば株価1000円で株を買ったとします。
そして今1100円だとします。
100円含み損が出ています。
これをどう考えるか、という事ですが。
例えばAもBも目標が1200円だとします。
ところが下=安い値段での設定が変わります。
A…今100円の利益が出ているから株価が下=安い方に振れた場合は最悪同値段の1000円で逃げる事を想定しながら1200円を目指したい。
B…今100円の利益が出ている。ただ当初は950円を割り込んだら損切りすると決めていたので、それは当初通りにして1200円を目指したい。
これ株価が下に振れた場合に約定しやすいのはどちらでしょうか。
Aですね。1100円のものが1000円になる可能性と950円になる可能性を比較すれば1000円になる可能性の方が高いです。
逆もそうです。
今1100円で利益目標を1200円で設定するか、1300円で設定するかでは当然に1200円に達成する可能性が高いです。
つまり上=目標も、下=損切りも現在の株価よりも近ければ近い程達成しやすくなり、遠ければ遠い程達成しにくくなります。
③まとめ
以上を踏まえてサンドウィッチング、ハーフサンドの使い分けですが以下の通りです。
・大きな利益を取りに行きたければ損切りの値段を買値より相当安めに設定しておき、ハーフサンドを使いましょう。
・細かな利益を積み重ねたければ損切りの位置を上記のハーフサンドよりも買値から近い位置に設定しておき、サンドウィッチングをしましょう。
株価が一気に上昇する事が予想される局面ではその大きな流れをとりに行きたいです。
その時にサンドウィッチングをする、という事は上に蓋をしてしまう、という事になってしまいます。
ですから下=損切りの注文をサンドウィッチングより低めにしておき、という事は損切りのポイントを深めに(=安めに)設定しておきます。
という事は遠いので損切りに引っかかりにくくなります。
そうしておいてより大きな利益を狙います。
ただハーフサンドにはリスクも伴います。
大きなリターンを狙うという事は大きなリスクも伴います。
この場合リスクとリターンはトレードオフの関係です。
また損切りポイントも仕掛けの値段より遠目に=安めに設定しています。
ですから実際に株価が自分の思惑と逆に、つまり安い方に行ってしまった場合の損切りの金額が大きくなります。
これが許容できない人はサンドウィンチングを使いましょう。
サンドウィッチングは利益確定と損切りの両方の注文を入れます。
それを仕掛けの値段と近い位置に設定する事で利益確定も損切りもより確実に出来ます。
現在の値段と利益確定や損切りの位置が近いという事は確実に株を売って現金化が出来、リスクの金額もハーフサンドの時と比べて軽減できます。
どちらというと少ない資金でトレードをしなければならない人に向いているやり方です。
サンドウィッチングとハーフサンドの違い、いかがでしょうか。
とにかくリスクの量=金額をどう考えるか、というのが最大のポイントになります。
この使い分け、是非出来る様になってください。