マネジメント出来るのがリスク。
「分からない」と「踏み出せない」
僕が株式投資というものに興味を持ちだしたのが確か30歳を過ぎた頃でした。(昔過ぎてはっきりとは覚えてませんが。)
その後実際に株式投資をやりだしたのが35歳の時でした。
興味を持ちだしてから実際に始めるまでどうして数年かかったのかというと、やり方が分からなかったです。
証券市場に上場している3000以上ある銘柄のうちどれを選択すればいいのか、選択した銘柄をどこでどうやって買えばいいのか、いくら買えばいいのか、買ったものをいつ売ればいいのか…。
色んな事が分からないからこそなかなか踏み出せなかったですね。
但し株の世界では失敗すればお金が無くなり悲惨な事になる、というイメージがあるだけに
「分からない=分からないままやろうとすると怖い=初めの一歩が踏み出せない」
となる訳です。
「リスク」は管理できるものである
ところが実際に株をやりだすと怖い事は一つしかありません。
それが「時価変動リスク」です。
自分が実際に買った株の値段が下がるかもしれない、という事ですね。
但しこれは「リスク」です。
いわゆる「デンジャー」とは違います。
これはどう違うのか、僕自身の定義付けですが、一言でいってしまうと
「自分でマネジメント出来るのがリスク、出来ないのがデンジャー」
であると考えます。
・制限速度時速40キロの道を時速100キロで運転する
・台風が接近することが天気予報で分かっているのに外出する
・キッチンのガスコンロで火をかけながら昼寝をする
・ストーブの周りで柵を付けずに赤ちゃんを遊ばせる
こういった事が典型的なデンジャーですね。
かなりの確率で悲劇的な結末が訪れるのが予想されます。
転職もそうかもしれません。
事前に業務内容や給与、休日や福利厚生をしっかり打ち合わせしたとしても、実際に新しい職場にいくと別の要因(職場の人間関係や実際の労働環境、職場の風土や得意先、仕入先との関係)で現在勤めている職場よりもトータルでマイナスの方が大きくなってしまうかもしれない、そうなると転職に踏み切れない。
結婚もその可能性がありますね。
恋愛をしているだけの時といざ生活を共にするとでは一緒に過ごす時間の長さやそれまで積み重ねてきた人生の中で形成された価値観の違い、また本人同士のみならず、親や親せき付き合い等で結婚生活も上手く行かなくなる可能性がある。
この辺りは予測不能です。
(まあ結婚をデンジャーと言ってしまうのはどうかとも思いますが…。)
唯一のリスクにしっかり備える
それに対してマネジメント出来るのがリスクです。
株式投資におけるほぼ唯一のリスクとは時価変動リスクしかありません。
株価というのは上がるか下がるしかありません。
株に限らず投資というものは必ずリスクが伴います。
「1円たりとも損したくない。」というリスクを取りたくない方ならそもそも株をやるのはやめた方はいいと思いますが、リスクというのは管理してしまえばいい訳です。
50万円で株を買う、買った株が上がれば良し、下がれば適当なところで売ればいい訳です。
このリスクマネジメント、株式のトレードは優れています。
「下がりそう」
と思ったらすぐに売ればいいからです。
投資家というのはリターンが得られる、と思うからこそ投資をします。
どんな投資であれそこは全て共通しています。
ところがリターンとリスクは表裏一体、トレードオフの関係です。
リターン=利益が出ている時だけ浮かれて損失に転じるとほったらかしにしたり、投資元本を減らして投資をやめてしまうのはただの素人です。
リスクはマネジメント出来ます。
リスクをマネジメントする事こそが投資家最大の仕事です。