株は2つの局面しかありません。
「怖い」と「出来ない」
先日所用である公園に行っていた時の事です。
小学校低学年くらいの男の子とお父さんが自転車の補助輪を外して乗る練習をしていました。
自分の息子や娘の時に僕もやっていたので懐かしくなって少し離れた場所からずっと見ていました。
お父さんも頑張って教えていて、男の子も必死に練習していたのですが、何度も転んでしまい、最後派手に転倒し顔を擦りむいたみたいで、男の子はかなり泣いていてそこで一旦練習終了になったみたいで帰って行きました。
僕は
「止まり方から教えてやれば上手く行くのに。」
と思いながら見てました。
うちも長男が自転車の補助輪を外す練習中に派手に転んでから自転車の練習をやりたがらなくなりました。
その時に止まり方から教えてやったら上手くいきました。
何故止まり方から教えてやろうと考えたかというと、長男に何で練習したくないか聞いたら
「転ぶと痛いから」
と言ったからです。
その時に
「痛くなくなるなら練習する?」
と聞いたところ
「自転車には補助輪無しで乗れる様になりたい。でも何度も転ぶと身体が痛いから…。」
と半泣きで答えたのを聞いて急に
「止まり方から教えてやろう。」
と閃きました。
これがまさに僕がトレーダーだから思いついた視点です。
やはり人は「痛い」「怖い」という体験はしたくないし出来ません。
まず「怖い」を消す
その時にやった練習の順番です。
①まず自転車をまたいでサドルに座らずに立たせる。
②次に後ろを支えて自転車を倒れない様に固定しながらサドルに座らせる。
↓
これで足が地面から浮いてる、という感覚を覚えます。
③ ②の状態から左右にゆっくり自転車を傾けます。
子供に
「左に傾けるから左足を着いて。」
と声をかけます。
↓
そうする事で自転車を停める際の足の付け方を覚えます。
④子供をサドルに座らせ、後ろと横からしっかり自転車を支えながらゆっくり動かします。
そこから自転車を止め、上記③の様にどちらかに自転車を傾けながら、
「右足ついて。」
といって右足を付けさせます。
↓
これで自転車を停める時のイメージを付けます。
停まる→自転車がどちらかに傾く→ 傾いた方の足を地面に着ける。
自転車に乗れる方なら意識せずにやっている事をゆっくり一つづつやって行く、という感じです。
⑤次にブレーキをかける事を覚えます。
これも上記④と同様に横と後ろからしっかり支えます。
安心感を与える訳ですね。
それでペダルに足をかけて実際にペダルを漕がせます。
そうしてブレーキをかけてスピードを落とすイメージをつけます。
ブレーキ→減速→ストップ→左右どちらかに傾く→傾いた方に足を出す。
このイメージをゆっくりやります。
ペダルを漕いでますが、この時点では大人が手でスピードをコントロールしてやります。
ここまで来るともう殆ど教えることはありません。
ペダルを漕ぐ時に少しずつ自転車の速度を速めてやり、そのうちに手を離してやればいいわけです。
自転車のすぐ後ろに一緒に走り、子供に対して「いつでも支えてもらえる。」
という安心感だけ与えてやり、あとはそのまま手を離してやればOKです。
もうここまで来れば
「もう少しで自分一人で乗れる様になれる。」
という事をイメージできる状態になっている為必死になって練習します。
この教え方をしたら長男はその日のうちに乗れる様になり、長女の練習をする時は最初からこのやり方でやったら長女もその日のうちに乗れる様になりました。
リスクマネジメントから教える
このポイントは何か。
「リスクマネジメントから教えた。」
という事なんです。
自転車の練習をする時に子供にとっての最大の恐怖、イコールリスクは何か。
それは
「転倒して痛い思いをする事」
です。
長男は自転車には乗りたかったが痛い思いをするのが嫌なんで練習したくなかった。
という事はその備えさえしてやればいい訳です。
実はこの考えって株の考え方と全く一緒なんですね。
投資も投機ももしリスクがない、100%儲かると分かっていればみんなやる訳です。
それがなぜやらない人の方が多いのか。
それは
「怖いから」
です。
そこに自分の資産が目減りしてしまうかもしれない、というリスクがあるからなんです。
でもリスクの種類をしっかり覚え、それに対応する事さえ覚えてしまえば決して怖くない、という事なんですね。
投資も投機もイケイケドンドンの方より臆病な方の方が最終的に上手く行きます。
リターンから考えるよりリスクから組み立てた方が最終的な成功には結び付くと思います。
株は2つの局面しかありません。
利益が出ているか、損失がでているか。
この2点だけです。
リターン=利益が出ているときなんていうのはプロも素人もさほど変わりありません。
リスク=損失が出ているときに人はパニックを起こしたり思考停止になったりしてそういった局面でご自身の資産を大きく減らしてしまうのです。
ですのでその備えをしっかり覚えましょう。
何かをやり始める時は色々夢も見ながら色んな事を考えましょう。
ところが自分の進むべき道、取るべき手段を決め、具体的に進みだす時にはまずリスクから考えましょう。
リスクをしっかりコントロールできればリターンが出る時は思い切ってとればいいんです。
自転車の練習をしている親子を見ながらそんな事を思い出した出来事でした。