JRA藤田菜七子騎手の引退に感じるルールに関する落とし穴│名古屋で株式投資・短期売買を学べる学校

中谷駿介の講師コラム

藤田菜七子の引退を正式発表 JRA – Yahoo!ニュース

全く競馬に興味のない僕でも名前を知っているジョッキーが2人います。

一人が武豊さん、もう一人が今回取り上げる藤田菜七子さんです。

ヤフーニュースにやたらと引退の記事が上がっていましたので「何で?」と思って観てみました。

 

ルールを破ってしまったから

 

詳しく読んでいくとどうもジョッキーの方は不適切な情報漏洩防止の為に情報遮断を目的として、レースの前日から調整ルームと呼ばれる部屋に入らないといけなく、そこでは通信機器(スマホ等)の持ち込みが禁止となるそうです。

それにもかかわらず調整ルームにスマホを持ち込んで通信をしていた、との事です。

まあそりゃそうなるわな、というのがまず第一印象です。

持ち込んではいけないものを持ち込んでいた、まあ処分され、そこが引退に繋がった、という事なんだと思います。

ただ、しばらく色んな記事を読み進めていくと、どうもこの調整ルーム、スマホを持ち込んでもいいケースがあるみたいですね。

事前にダウンロードしてある映像を観る分には申し出をすることで持ち込み許可になるとか。

要は「通信は厳禁だが、通信以外の使用は申し出をすることでOK、という事みたいです。

 

そのルールは果たして守れるルールなのか

 

正直この部分を読んだ時の感想としては

「そんなルール果たして守れるのか?」

例えばスマホを操作しているタイミングでメールやらラインやらが入ってくることもあると思います。

その時に無意識にそこをタップしてしまう事もあるでしょう。

また現代社会では様々なものがスマートフォンにどんどん集約されていく傾向あります。

SNSもパソコンでという方はおそらく少数でしょうし、ゲーム、財布、音楽を聴く、様々なサービスがスマホのオールインになりつつあります。

年齢的にも「幼いころからスマホがあって当たり前。」の世代だったと思います。

そんな社会情勢、そんな環境の中で

「スマホが手元にあって自由に触れるのに通信に関する事だけ触らない」

という事が本当に可能なんでしょうか。

スマートフォンや通信機器の待機ルームへの持ち込み自体が禁止、ならまだわかるのですが。

 

そのルールの運用には無理があるのでは?

 

「ルールを守る」という事は社会人としては当たり前、という事は皆さん認識していると思います。

ルールというのは例えば憲法をはじめとする各法律の様に日本国民ならだれもが守らないといけないものから、各企業、学校、団体内にのみ適用されるルールまであります。

最近はやりの言葉で表現するならば前者がコンプライアンス、後者がガバナンス、といったところでしょうか。

ただそのルールが実情に合わない場合はどうでしょうか。

「ルールを守る事」はそれ自体が目的ではありません。

目的は「社会秩序やその集団内の円滑な運営の為」であり、ルールを守る事はその手段に過ぎません。

トレーダーこそ「必ず守れるルールを守らければならない」

 

株の世界ではルールを守れない人はおそらく長い事居られません。

長くやる=自分が抱えている資金を守る、事がトレーダーにとっての必要条件になるからです。

ルールを守れなければ資金が無くなり、勝手に引退に追い込まれます。

こういう人たちのなんと多い事か…

例えば自分自身で

「ロスカットを5万円に設定する。」

というルールを決めたとしても実際にそのルールを自分が守れないとするならばルールの設定自体が間違っています。

「トレーダーは大きく勝つことが目的ではない。長く相場の世界にいて、継続して利益を取っていくことが大事」

という目的があるからこそ、そのための手段の一つとして

「ロスカットに対するルールを自分で作ってそれを徹底する。」

という事があります。

今回の藤田さんの件、すごく色んな事を考えさせられる出来事でした。

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