「考えるな、感じろ」ブルース・リーの名言
情熱大陸、二夜連続のイチロー特集、なかなか見応えがありました。
現在の生活拠点であるシアトルでのトレーニング、未だに行う選手同様の練習、女子野球や高校野球への情熱的な指導…。
「プロ野球選手」としてのイチローは引退しても「野球選手」としてのイチローさんはまだまだ現役なんだと実感されられました。
大事なものは「感性」
番組自体がもの凄く面白かったのですが、中でも興味深かったのが元読売ジャイアンツ、ニューヨークヤンキース、松井秀喜さんとの対談。
日本で、メジャーで一時代を築いた二人ですが(意外な事に一緒に食事するのは初めて、との事)、女子高校野球選抜チームとの試合の次の日の対談で、松井さんが言ったひとこと。
「最近のメジャーの試合を観て、ストレスたまりません?」
それに対してイチローさんが
「溜まる溜まる、めちゃめちゃ溜まるよ」
と応えた場面。
2000年代から耳にする様になった統計学を応用したセイバーメトリックスの活用、さらには2015年から採用されたスタッドキャストによって様々なデータが瞬時にデータ化され、選手やコーチングスタッフはその場でデータ確認が出来る。
投手の投げる球種、球速、変化球の曲がる角度、打者の打球方向等が瞬時にデータとして得られる為、選手は全てデータ通りのプレー、ベンチからの指示通りのプレーを求められ、それが出来ないと評価も下がる…
松井さんが「打順の意味とかもどんどんなくなってきている」との発言もありました。
イチローさんが出身校である愛工大名電を訪れた時も、メジャーを模倣したトレーニング施設があり、それらに理解を踏まえつつも「見えないところ、データで表現されないところを大事にしているか」「感性を大事にしているか」と選手に問いかけていました。
データの重要性は充分に理解しながらも「データでは見えない局面は無数にある」「だから自分の頭で考えないといけない」と発し続けます。
感性はトレーニングで鍛えられる
感性というのはどうやって身に付くのでしょうか。
トレードの技術でいえば感性は充分にトレーニングで鍛えられると思います。
トレーダーが観ているのは株価チャート=図形です。
それを観続ける事で身に付くと思います。
実際に僕自身がそうでした。
初めは「こんなことやってて本当に儲かる様になるんかな」と半信半疑でやっていましたが、毎日毎日繰り返しチャートを観続ける事で「あれっ?」「あっ!」という小さな気づきが重なり、いつの間にか出来る様になっていました。
今も昔も観ているものは2次元の図形です。
ただ昔と今ではその「観え方」が違います。
先天的でも天賦の才でもなく、まさにトレーニングのおかげだと思います。
「考えず」「感じられるまで」やれ
「Don’t think!! Feel!」
今は亡きブルース・リーの主演映画「燃えよドラゴン」の冒頭部分、ブルース・リーが修行中の少年に伝える言葉です。
訳すと「考えるな 感じろ」というところでしょうか。
僕の持論として「一目惚れするチャートこそ良いチャート」です。
良いチャートは考えるとはなりません。
一目観た瞬間「おっ!」となります。
男女の関係でいえば一目惚れする=外見が自分好みの異性と実際にお付き合いしたからといって上手くいくとは限りませんが、一目惚れするチャートというのは詳しく観ていくと本当に良いチャートです。
良いチャートを一目観た瞬間「おっ!」と思える様になるまでトレーニングし続けて下さい。
それこそイチローさんがいうところの「見えないところ、データで表現されないところを大事にしているか」というところ=感性が無意識のうちに鍛えられている事になっているのだと思います。