トレードは投資より簡単?
株のトレードというのは簡単?
株のトレードは簡単だと思います。
こういうと無責任に聞こえるかもしれませんが結構本気でそう思っています。
学校の勉強と違って教科書がエンドレスに増えていくわけではありませんし、通常の会社員みたいに一人前になるのに一日フルに働いて五年も十年もかかるというものでもありません。
正しく理論を身につけて、正しい理論に基づいた実践を繰り返せば、比較的成功しやすいカテゴリーのものだと思います。
ただこのトレード、「簡単」だけど「難しい」という性格を秘めており、それが多くの人たちが上手くいかず苦しんでいる要因だとも思います。
「楽して儲かる」という幻想
株には多くの方が抱いている幻想があります。
「楽して儲かるんでしょ」「簡単にお金が増えるんでしょ」という幻想です。
ネット等では株に関する人々の幻想を掻き立てる様々な記事も沢山出ています。
幾らの元金が幾らになった、〇〇歳で株でFIRE達成…
こういった記事が、ニュースが人の欲望を掻き立てます。
そうして「俺もすぐにそうなれる」と思い込み、ろくに勉強もせず、研究もせず、人任せ(証券外務員、本やネットの記事)に株を買い、上手くいかずに苦しんでいる人たちのなんと多い事か…。
これらは全て「楽して儲かる」という幻想です。
株のトレードというのは本来れっきとした経済活動であり、確固たる技術に裏付けされた中で行うものです。
株に限らず経済活動なんて他人のやる事を自分自身で検証もせずに行って上手くいくなんていう事はありえません。
それらの幻想が人の目を曇らせ、本来やるべきことをやらずに安易な道に走らせます。
簡単なものを難しくする「人間の本能」
人には「欲」というものがあります。
欲というものは人間が本来持っているもの、人間の本能です。
この欲こそが人を株に向かわせ、トレード技術を覚える原動力となります。
ところがこの欲こそがトレードを難しくするものでもあります。
トレードは「リスク=損」と「リターン=利益」のバランスを考え、ある程度のリスクを織り込みながら利益を積み上げていくものです。
また誰しも一分一秒先の株価が分らない中で行動を起こさなければなりません。
その時にこの「欲」が今度は邪魔をします。
「あの株を800円で買おう、それで1000円になったら売ろう」
と考えて株を買ったとします。そうして実際に株価が1000円になります。
そうすると今度「もっと上がるんじゃないか。」と考え利益確定をしなくなります。
結果株価が更に上がっていけばいいのですが、そうならず急落する事もあります。
もっとたちが悪いのが損失が出ている時。
「あの株を800円で買おう、もし700円割り込んだら撤退しよう。」
とロスカットを事前に決めておいても実際に700円割り込んだら
「もうここで反発する、だからもう少し様子を見よう。」
と当初シナリオを変更してしまう事。
これらは全て「欲」が生み出した行為です。
せっかく技術を身につけ、自分なりのシナリオを書ける様になっても、実際の取引の時に湧き出てくる「欲」が邪魔をします。
株を学ぼうとする原動力にもなり、実際にやり出すと邪魔になる「欲」。
この「欲」さえうまく制御出来れば株というのはおそらく「簡単に」なるのだろうなあ、と思います。
ただ殆どの方がこの「欲」を制御できず、株で上手くいかず苦しみます。
この「欲の制御」株を長くやっていく為の大きな、ひょっとすると一番のポイントかもしれません。