効率を上げる最良の方法はとにかく量をこなす事です。
僕は仕事柄よく「何かを上手くやる為にはどうすべきか。」という事を聞かれます。
勤め先の会社では管理職という立場があり部下に仕事のやり方を聞かれます。
株式トレードの塾では生徒さんに「どうしたら上手く行くようになりますか。」と聞かれます。
個々の具体的な質問であったり技術論であったりという事はその部分にフォーカスした対処に回答になるのですが、
「どうしたら上手く行く様になりますか。」
という包括的な質問を頂くことがあります。
「どうすれば効率よく出来る様になりますか。」
という事も聞かれます。
これに対する僕の回答がこの表題です。
①まず量をこなしましょう。
まずとにかく量をこなしましょう。
誰でも(僕でも)そうですが、目的地までの最短距離を歩きたいものです。
車で初めて行く土地にはカーナビに目的地を入力すると簡単に目的地までの道筋が表示されます。
・推奨ルート
・有料優先
・時間優先
・距離優先
様々なルートが一瞬で表示され、自分にとって一番適したルートを選択すればいい訳です。
そうなる為にはどうするか。
量をこなすしかありません。
一つの事をとことんこなす。愚直なまでにやりこむ。
時間はかかるでしょう。その時間を短縮させる為にも量をこなさねばなりません。
「量を短縮させる為に量をこなす。」
一見矛盾している様にみえますが、結局色々な経験値を積まないと質なんて上がってきません。
例えば仕事で何かの資料を作らないといけない、その為の具体的な方法が3つあるとします。
当然一番早く、効率よく、正確にこなす方法を選択したい訳です。
じゃあその方法が3つのうちどれなのか。
やってみるまで分かりません。
順番にやっていくしかありません。
やってみる事で3つのうちのどれが一番よく、どれが一番ダメなのかが分かります。
②量をこなすことで道筋が見えてきます。
そうやってとことんやりこむ事で道筋が見えてきます。
3つのうちでどの方法が一番正確か、どの方法が一番早いか、どの方法が一番非効率か、という事がみえてきます。
多数の事をやりこむ事で「この方法は効率がいい。」「この方法はこの仕事には上手く行くけどこの仕事には適していない。」「この方法がベターだがここが欠点だからその部分だけは別の方法を選択しよう。」という様に自分の中での経験値が蓄積されてきます。
その蓄積こそ効率化への第一歩です。
100のやり方があったとしても最終的には一緒です。
経験を積むことでさまざまな事柄の良い面、悪い面が見えてきます。
例えていえば同じ大きさ、同じ模様の100の球体があったとしたら、経験により球体の大きさの違い、表面の手触り、コーティングの違い、模様、色の違いが徐々に浮き出てくる感じです。
「この資料を作るのに必要なのはワードなのか、エクセルなのか、それともパワーポイントなのか。」
「この局面を分析するのは移動平均線を使うのか一目均衡表を使うのか移動平均乖離率を使うのか。」
個々の長所、短所がみえてきます。
これこそが道筋です。
③見えてきた道筋を整理すると効率への道が見えてきます。
道筋が見えてくる、という事は素晴らしい第一歩です。
目の前に複数の選択肢があった時の「どの手段を選択するか」という時の大きな手掛かりになるからです。
個々の選択肢の良いところ、悪いところが自分自身である程度明確化されているからこそ目的地まで効率的に辿り着く為の選択をする事が可能になります。
何かを行う時に「この方法が無駄である」「この方法は効率が悪い」という事を自分でやってみて分かっているからこそ、いざ選択を迫られた時にその方法を切り捨てる事ができます。
選択をする時に「良い方法を選択する」方法もありますが、もう一つ「悪い方法を選択しない」という方法もあります。
それは「かつてその悪い方法をやったことがある。」人が自信をもってその選択を行うことが出来ます。
なぜなら実際にやったことがあるのでその方法の悪さを身をもって知ってるからです。
「人の経験談で判断する」人と「自分で実際にやってみて判断する」人とは判断の重み、自己の判断に対する信頼度が違います。
ここでも量をこなした人の強みがでます。
④見えてきた効率への道を整理していくと質が向上していきます。
こうやって取り組んできた量が上がってくると様々な事に対する道筋が見えてきます。
それは量をこなすことで徐々に効率が上がってきた、という事になります。
こうやって局面局面で出てきた効率への道をすこしづつ整理していくとその積み重ねこそが「質の向上」となります。
量をこなす、という事は自分自身の引き出しを増やす、という事です。
量をこなしていく過程で自分の武器、手数が増えています。
それは必然的に質を向上させているのです。
ですから自分の取り組んでいる事の質を向上させようと思ったらまず量をこなせばいい、という事になります。
まず量をこなしてみましょう。