NHK「宙(そら)わたる教室」
久々に心に刺さるドラマを観ました。
NHK総合「宙(そら)わたる教室」です。
とにかく次の週が楽しみで、観るたびに色々な事を考えさせられました。
定時制高校の教員となったある科学者が科学部を立ち上げ、そこに集う年齢も背景も異なる4人の部員たちがある実験を行う、という物語です。主人公の科学者の実験、部員達の実験、それぞれが違うものでしたが、それが思いもよらぬ化学反応を巻き起こしていく、その過程が非常に面白かったです。
ストーリーも秀逸で原作の書籍も読みましたが、その中にちりばめられた様々な要素が自分の中に様々に突き刺さりました。
出自は関係ない
ディスレクシア(読み書きに困難のある学習障害)の若手作業員、フィリピン人で専門学校生の娘もいる40代の女性、起立性調節障害という自律神経の異常を持つ女子高校生、経営した町工場を畳んで病気の奥様と余生を過ごす70代の男性、一見何の共通項も持たない4名の定時制高校の生徒が、ここに赴任してきた大学の研究室に籍を置く30歳代の科学者の「科学部を創る」という事にいつの間にか引き寄せられていきます。
彼らは私生活において様々な葛藤を抱えながら日本地球惑星科学連合大会(学会の発表会)高校生の部で「火星の地表に出来る『ランパード・クレーター』を再現する。」という発表に向けて時にいがみ合い、時に喧嘩になりながらも徐々に一丸になりながら進んでいきます。
大切な事は過去に成し遂げたこと(例えば学歴とか職歴)でなく、現在どこに立っているか、今からどこに向かおうとしているのか、という現在と未来なんだと思い知らされます。
これ、僕が主宰している自財人倶楽部の生徒さんなんかと全く一緒なんですね。
「株をやりたいけどやり方は分からない」「パソコンが苦手でチャートソフトの見方が分からない」という方がひとつづつ手順を踏まえて学習していく、その結果出来る様になっていく、それまで自分が得ていた収入に加えて株で利益を上げられる様になる、収入が取れる様になる、そこには年齢も性別も関係ありません。
「今自分が何をしたいのか」「どこに向かって歩んでいくのか」
それだけを考え、一生懸命頭を使い、手を動かす、ドラマの中に株を始めた当初の自分、今頑張っている生徒さんの事を勝手に投影していました。
(ちなみに一緒といっても「時にいがみ合い、時に喧嘩になりながらも」の部分は違いますので誤解なき様に。)
自分が変われば周囲が勝手に変わっていく
ドラマの最終回、普通の高校生ばかりが発表していく中、 一番初めは「えっ、定時制?」という反応があった聴衆の皆さんも発表時のスピーチの掴みの部分、さらには発表する実験の内容に徐々に引き込まれていきます。
そこには定時制も全日制も関係なく、ただあるのは自分達が頑張って研究して得た実験の結果です。それが確かなものであれば発表した人の出自にも属性にも関係がなく、同じく「知る事」を求める聴衆の皆さんが勝手に発表内容に引き込まれていく…
僕も20歳代の頃、転職したりとか、30歳代になって株を始めたり、とかいろいろありましたが周囲から懐疑的に観られる事もありました。
ただ自分が信念をもって様々な事に取組み、それが結果として出てくると周囲の懐疑的な目が無くなっていくのは感じていました。
「株をやっている」という時は「ふーん」だった感じも「株のトレードスクールの講師をしている」となると「マジ?」「教えて」という感じに変わってきました。
自分が一生懸命何かに取組み、結果が出ていくと周囲の目は勝手に変わっていきます。
勿体ない
学会でのテーマ発表の練習を始めた時にスピーチの指導をしている先生が発表の仕方で四苦八苦している生徒たちに言います。
「実験の一番の売り、ここが一番の面白いところを一言で言いあらわせるいいフレーズってないの?」
「だって、勿体ないじゃない。この実験の事知っているの、世界中で君たちしかいないじゃない? 誰かに伝えなきゃやってない事と同じになる、そんなの勿体ない。」
そう、これってまさにトレード技術と同じなんですよね。
トレードは正しく勉強し、正しく勉強した事を正しくやり続ける、そうすれば結果は出ます。
これはまさしく技術、何か収入増の手段を求めてる方にはこの技術を是非知ってもらいたい、知らなければ勿体ない、これは痛感しています。ドラマでの先生の発言、まさに僕自身の心の叫びです(笑)。
扉を一つ開ける
ドラマではなく原作の方で最後の科学部の4名の生徒の一人で主人公格である科学部の部長が「学校、辞めねえよな?」という言われた時に主人公の先生は「分かりません」と答えました。
「自分の将来を一本道の様に見通せる人はいません。誰しもいるのはいつも窓のない部屋、自分の前には扉がいくつもある。とにかくそれを一つ選んで開けてみると、またそこは小さい部屋で扉が並んでいる、人生はその連続でしかない。」
「正解の扉などというものはたぶんありません。入った部屋で偶然に誰かと出会い、あれこれ手を動かしてみて、次の扉をえいやと選ぶだけです。」
正解がない中で何かを選択する、選択した中で一生懸命何かを行って次へ選択をする、おそらく「成功者」と言われている方は結局この行為を繰り返しているのでしょう。
選ばないと進めない、でも選んだ先がどんな場所かの確証なんてない、だから一生懸命考えて、選択して、選択した先で一生懸命手を動かす、そうして次の選択をする、そしてそこでまたしっかり手を動かす。
トレードと全く同じです。
銘柄を探す、いい銘柄は仕掛ける、でも利益も損失もあるから損失に対して細かいリスクを取って、そのリスクに対する備えも注文方法でしっかり行って仕掛ける。利益が出れば良し、損失もリスク管理をしているから良し、そうしてまた次の扉を開ける、大前提としてちゃんとした技術があって、ちゃんとしたやり方に乗っ取って取り組む。
これをただひたすら繰り返す、人生もトレードも一緒なんだ、と感じされられました。
ドラマも原作も物語としても秀逸で、色んな事も考えされられました。
お勧めの一作です。